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糖尿病内科

予防と治療法

糖尿病の治療

糖尿病の治療には・・・
  1.食事療法
  2.運動療法
  3.薬物療法
  の3つの方法があります。

1.食事療法

糖尿病治療の中でも、誰もが必ず行う必要のある基本的治療です。
血糖上昇を抑えるのみならず、血圧の正常化や脂質代謝なども考慮した
食事療法が、新陳代謝を良くし、合併症を予防します。
適切な体重を保ちながら、必要な栄養素をバランスよく摂ることが大切です。
1日に必要なエネルギーを朝・昼・夕の3食均等にわけて食べて頂くというのが
ポイントになります。

*標準体重と必要エネルギーの求め方

 ・肥満度(BMI:Body Mass Index)
  BMI=体重(kg)÷身長(m)² (BMI 25以上を肥満、
  BMI 18.5未満を低体重とする)
 ・標準体重=身長(m)²×22      (BMIが22の場合を標準体重とする)

次に、1日に必要なエネルギー量を求めてみましょう。
 例)身長160cm 事務職 → 1.6×1.6×22×30 =1,689 =1,700Kcal/日

標準体重と必要エネルギーの求め方

 

2 運動療法

糖尿病患者さんの数は年々増加してきていますが、その原因として、食べすぎや運動不足といった清潔習慣の悪化が考えられています。
実際、戦後の自動車普及率の上昇や脂肪摂取量の増加とともに、糖尿病患者数は爆発的な増加を認めているのです。

運動をすると、エネルギーが筋肉で消費され、エネルギーを供給しようとして筋肉が血液からブドウ糖をどんどん取り込んでくれるため、血糖値が低下します。ただ、運動の効果は比較的短く、運動をやめると2~3日ほどでほとんど効果が消失してしまうため、出来れば週3回以上は運動して頂くことが大切です。

運動の内容としては、一番簡単にできる運動として歩行がお勧めです。
目安としては、やや早足で一日8千~1万歩歩いて頂くのが効果的です。
必ずしも連続で歩いて頂く必要はなく、コマ切れでも構わないので、一日の中で何歩歩いたかが大切です。万歩計をつけるようにしましょう。
また、食後血糖を抑えるためには食後のウォーキングをお勧めいたします。
日常生活の中で行う家事も運動になります。

病状によっては、運動をしてはいけない方もいらっしゃいますので、必ず主治医に御相談してください。

運動療法

 

3 薬物療法

糖尿病の薬物療法には、経口糖尿病薬・インスリン療法・インクレチン治療があります。

1)インスリン
体内で分泌されるインスリン量が十分でない場合、皮下注射をして、外部からインスリンを補充します。
2)経口血糖降下薬・インクレチン製剤

・スルホニル尿素薬(SU薬)
インスリンを作っているすい臓のβ細胞に働いて、インスリンの分泌
を高めることで血糖を下げるお薬です。
アマリール・グリミクロン・ダオニール・オイグルコンなど

・速効型インスリン分泌促進薬
SU薬と同様に、すい臓からのインスリン分泌を促すお薬です。
SU薬よりも作用時間が短く、食直前に内服することにより、食後の血糖値の上昇を抑えるお薬です。
スターシス・ファステイック・グルファスト・シュアポストなど

・αグルコシターゼ阻害薬
小腸での炭水化物の消化を遅らせることで、ブドウ糖の吸収をゆっくりにします。これにより、食後の血糖の上昇を穏やかにさせるお薬です。
副作用として、おなかが張ったりおならが増えることがあります。
症状が強い場合は、主治医に御相談下さい。
ベイスン・ベイスンOD・グルコバイ・セイブル・ボグリボースなど

・ビグアナイド薬
筋肉や肝臓での糖や脂肪の燃焼を促進し、インスリンの効果を高めます。また、余分なブドウ糖の産生を抑える効果もあります。
このような肝臓や筋肉に対するさまざまな効果により、インスリンの効果を高め、血糖値を下げます。
副作用としては、吐き気・腹痛・下痢・体がだるいといった症状の出る乳酸アシドーシスがあるため、症状がでたら内服はいったん中止し、すぐに主治医に御相談下さい。
メトグルコ・メルビン・グリコラン・メデット・ネルビスなど

 
・チアゾリン誘導体
食べすぎなどにより肥大化した脂肪細胞は、インスリンの作用を減弱させる物質を分泌します。これにより、インスリンの作用が現弱すると血糖値は上昇してしまいます。

このお薬は、肥大化した脂肪細胞を小さく分裂させ、肝臓や筋肉でのインスリンの作用を増強し、血糖を下げる作用があります。
副作用としては、むくみの出やすいお薬です。強くむくみが出現した場合には、内服をいったん中止し、主治医に御相談下さい。
アクトスなど

・インクレチン製剤
食事を口から摂ると、小腸からGLP-1というホルモンが分泌されます。
GLP-1はすい臓のβ細胞に作用して、より多くのインスリンを出すお手伝いをしてくれます。しかし、このGLP-1は血液中ではわずか数分でDPP-Ⅳという物質により分解されてしまいます。

・注射薬(GLP-1製剤)
持続してGLP-1の作用効果を認め、体重減少効果も期待できる薬剤です。1日1回、または2回、皮下注射を行います。用量依存的に、吐き気の副作用が増してしまうことがあります。
リキスミア・ビクトーザ・バイエッタなど

内服薬(DPP-Ⅳ阻害薬)
DPP-Ⅳを阻害することでGLP-1が分解されてしまうのを防ぎ、すい臓のβ細胞がインスリンをたくさん分泌できるようにしています。他の内服薬に比べ、太りにくいのが特徴です。
ジャヌビア・トラゼンタ・ネシーナ・エクア・グラクティブなど